虎徹MarkⅡはRyzen7 2700Xを冷やせるのか
虎徹MarkⅡはRyzen7 2700Xを冷やせるのか
本来は今まで使っていたグランド鎌クロスでAMD Ryzen7 2700Xに使ってみたかったのですが、AM4マウンティングキット・タイプBが販売がなくなってしまったのとAmazonでも手に入るのですが、信じられないぐらい高いためキットを購入することができませんでした。
そこで、サイズの虎徹MarkⅡがネット界隈では結構評価が高くコスパもいいとあったのでとりあえずというか、試しにRyzen7 2700X開発PCに使ってみることにしました。
これを購入するにあたって、懸念した事項
- 全高154mmとあるが、DefineR6ケースでも問題ないのか?
- メモリを4枚刺しすると干渉しないか?
- 虎徹MarkⅡはRyzen7 2700X TDP105Wを冷やせるのか?
DefineR6で虎徹MarkⅡは使える?
結果的には問題なかったです。
強化ガラスパネルとの隙間は指一本ぐらいの幅はありました。
DefineR6の仕様表には[対応CPUクーラー 185 mm]とありましたので問題ないのですが、意外とメーカーのそれだけを信じ切ると、閉まらないなんてことはよくあることなので実際に装着してみるまでどうなるかわからないのが自作なのです。
メモリを4枚刺しすると干渉しないか?
CORSAIR CMK32GX4M2A2666C16では特に干渉はしませんでした。キチキチなのは変わりありませんが・・・・
これ以上の高さがあるメモリでも、FANと干渉することはないと思いますが、FANを上にずらすことも可能ですのでおそらく問題ないと思います。
ただ上にずらした場合、ケースと干渉するまでの長さが残り3cm弱ぐらいですので、それを考慮にいれてメモリを購入されたほうがよいでしょう。
虎徹MarkⅡはRyzen7 2700X TDP105Wを冷やせるのか
[検証構成]
CPU | AMD Ryzen 7 2700X with Wraith Prism cooler |
---|---|
CPUグリス | ドイツ Thermal Grizzly社製 オーバークロック用特別設計高性能熱伝導グリス Kryonaut 1g |
CPUクーラー | サイズ 虎徹 Mark II |
M/B | ASRock X470 Taichi |
Memory |
CORSAIR CMK32GX4M2A2666C16 XMP 2666で動作 |
VGA | MSI Radeon RX 580 ARMOR MK2 8G OC |
SSD NVMe | WD Black SN750 NVMe WDS500G3X0C |
OS | Windows10 Professional(x64) Build 1809/R55 |
室温 | 26℃ |
[検証方法]
・CinebenchR20を5回実行し、そのスコアをとる
・温度の計測はCPU (Tdie)を計測し最大温度とFANの最大回転数をとる
・一度計測した後、再度計測する場合は十分に冷却されているように10分程度の時間を置く
・OCなどはせず、定格での運用とする
[検証結果]
回数 | CinebenchR20スコア | 最大温度[℃] | 最大回転数[RPM] |
---|---|---|---|
1回目 | 3,864 | 78.3 | 1,252 |
2回目 | 3,862 | 80 | 1,253 |
3回目 | 3,848 | 80.9 | 1,252 |
4回目 | 3,836 | 81 | 1,252 |
5回目 | 3,844 | 81.4 | 1,253 |
1回目の計測のデータをグラフ化したものだが、2回目以降もほぼ同じグラフとなった。
しかしながら、2回目以降は10分の冷却時間をとったにも関わらず、温度が若干上昇しているのは、室温が変化した可能性がある。同じ室温での検証を務めたつもりだが、ある程度の温度差は出てしまうようである。
81℃と意外と温度は収まっているようには見えるが、AMD Ryzen7 2700Xの特性上、温度上昇に応じてクロック数が低下するので、Chinebenchのスコアが若干低く出てしまう。
これが簡易水冷の360mmラジエーターであれば3900前後はスコアが狙えると思います。
Ryzen3000シリーズが7月7日に発売されますが、12コアのRyzen9 3900Xは虎徹MarkⅡでは厳しいかもしれません。7nmプロセスルールで製造されているので、発熱は抑えられているのかもしれませんが、ブーストクロックが4.6GHzへと引き上げられているのでRyzen7 2700Xと比べても発熱は多い可能性があります。
[補足] 虎徹MarkⅡでFANを2つにしてみると温度差はあるのか?
結論から言うと、温度変化はほぼありません。
あったとしても0.5℃ぐらいの差でした。
この理由は、FANを2つにしても十分なエアフローがなされているケースにおいてはあまり意味をなさない。
エアフローが十分に確保されていないケースだと効果があるのだと思います。
DefineR6は全面FAN2つ、背面FAN1つでも十分にエアフローを確保でき購入時からとても優秀なケースだからこそ差が生まれなかったといえるでしょう。
おしゃれで2つつけたい、または光らせて遊びたい人にはいいかもしれませんが、FAN2つで冷却効果を実感したい人はやめておいたほうがよいでしょう。
[結論] 虎徹MarkⅡ
- Ryzen7 2700Xを一般的に使う人ならば虎徹MarkⅡで良い(開発エンジニアでなければ100%を使い切ることがないため)
- OCなどで遊ぶ人ならば虎徹MarkⅡはベストバイではない(素直に簡易水冷を選ぶほうが良い)
- コストパフォーマンスは最高に良い
Ryzen7 3000シリーズ発売目前ですので、それに合わせて参考にしていただければ幸いです。